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新宿駆け込み寺 玄秀盛さんを取材して

投稿日:2019年6月22日 更新日:

今日は、久保雅督です。

「撮って書いてワヤで笑える人生日記」に
お越しいただき、ありがとうございます。

今日のテーマは、「変化」です。

ちょっと難しいですが、頑張ります。

例えば、

「明日から私は、こういう生き方をします」

こう宣言して、果たして何人が実行できるでしょうか。

言うは易く行うは難し

実行できる人は少ないと思います。だって、タバコですら…ですもの、
人生を変えるなんて…ねぇ

ところが、今回紹介する玄秀盛さん
「新宿歌舞伎町 公益社団法人日本駆け込み寺代表」
は、これまでの人生を捨て、真逆の人生へ見事転身したのです。
しかも、それまでの人生は、ひとことで言えば、「極悪非道な金の亡者」

「Vシネマのナニワ金融道 そんな甘い世界ちゃうで、
あれは十一
(10日で一割の利子)
オレのは明け一(あけいち)やからな
(夜借りて朝になったら一割) 
払えんかったら、女だったら店で、
男やったら、作業現場へ連れていって、働かせた」
こうして稼いだ金は
「金は使うために稼ぐんじゃ」
そう言って、
億のお金が入ったキャリーバックを引きずって、
毎夜歓楽街で豪遊していた。

そういう生き方をしていた人が、
これまでの人生をきっぱりと捨て、会社も家も捨てて、
真逆の人助けのボランティアを始め、17年も続けてきて、
多くの人を助けてきたのです。

一体、この変化はなぜ…

それが今日のテーマなのです。

新宿駆け込み寺 そして玄秀盛さん

玄秀盛さん(62歳)
新宿歌舞伎町「日本駆け込み寺」の代表です。

そう言っても「?」と思う人もいると思うので、
公益社団法人「日本駆け込み寺」を紹介しておきます。

新宿歌舞伎町 日本駆け込み寺とは

インターネットで検索すると、次のように載っています。

「現在、日本社会には、DV、家庭内暴力、多重債務、自殺願望、ひきこもり、刑務所出所後の受け入れ先など、様々な問題に苦しんでいる人がたくさんいます。

もちろん、それぞれの問題に相談窓口はあります。

しかし、
「困りごとの救急総合病院」ともいうべき相談所はほぼありません。

まして、窓口のわからない方、「DVと借金」というふうに困りごとが重なっている方への対応をする場は極めてすくない。

また、家庭内の問題は、民事不介入によって、事件にならない限り公的機関がなかなか介入できません。

玄秀盛を代表とするNPO法人 新宿歌舞伎町駆け込み寺

(旧名称・NPO法人 日本ソーシャルマイノリティ協会)は、

歌舞伎町で9年間にわたり、ひとびとの悩みを傾聴してきました。

被害者であろうと加害者であろうと分け隔てなく、

苦しむ人々はどんな方でも受け入れるという姿勢のもと、

対話による救済活動を行ってきました。

相談者は東京に限らず、北海道や九州、沖縄など全国から駆け込んで来ることから、全国の繁華街で直接面談する活動を展開したいと考え、2011年7月7日、日本財団の協力のもと、一般社団法人日本駆け込み寺を設立することになり、さらに、2012年11月1日、広くひとびとを利することのできるようにと、

公益社団法人格を取得することができましたので、

(NPO法人・一般社団法人としては活動を停止)した」

私も何度か行った、刑務所出所者の働く居酒屋

玄さんが新宿歌舞伎町の入り口で経営していた
「酒肴蔵京丹後屋」
(ここは、刑務所を出所した人たちが働ける場所としてつくった居酒屋で今はありません)

に、何回か行っており、
玄さんとも何回か顔を合わせ、話をしたこともあります。

そういうことがあって、今回、
私がブログを立ち上げたということで、取材をお願いし、

5月5日に、取材させていただいたのです。

取材してから掲載までに随分時間をくってしまった言い訳

5月5日に取材して、すでにカレンダーは

6月も終り。

随分時間が経ってしまったのは、

その間に玄さんを取り巻く状況は、凄い勢いで動いていて、

 

5月19日には、NHKミッドナイトドキュメンタリー

「信じる男信じられた男」(~新宿歌舞伎町・駆け込み寺~)

があったり、

17終年」という自身のトークイベント、

さらに5月30日には、

「大阿闍梨 酒井雄哉の遺言」(玄秀盛著 佼成出版刊)

の出版があったりで、

ウエイテイングしながら、

情報の収集をしていたという、

うまい言い訳を見つけて

日延べさせていたというのが実情だったのです。

それにしても…

ですよね。

で、そろそろ…

そう思ってようやく、
コンピュータのスイッチをいれたのです。が、

今の段階でまだ、

この取材を通じて、しかもブログというメディアで、

「私が書くべきことは何なのか」を模索しているのです。

玄さんを取材させていただくにあたって、

私が最も知りたかったことは、

「いったい、どうしたら、変化できるのか」

そこに尽きるので、

決断した時の環境、精神状態 …

当初の目的通り、

そこに的を絞って書くことにしました。

なぜ駆け込み寺を…

玄さんが「駆け込み寺」をやろうと決意したのが、

平成2年の4月20日。

玄さん曰く、

「その直前に血液検査でひっかかって、

HTLVI(白血病の一種)という診断をもらったんです」

発症したら、白血病になるというものだった。

それを
「HIV エイズ」と勘違いして 

「そうか、俺死ぬんだ」と、思い込んだのだとか。

玄さんは言います。

「死ぬ、そう思うともう、居ても立ったってもいられなくなって、

どうせ死ぬんなら、誰でもええ、4、5人道連れにいてもうたろか

(殺して自分も死のうか)と」思った。

ところが、

「いざ死のうと思った時の我が身の可愛さ。

鬼畜のごとき考え。

それを、これまで平気でやってきたのに、いざ死のうと思うと、できん」

「…」

そういう精神状態の中で 玄さんは考えた。

「俺は何を思って生きてるんや」

「…」

呆然自失の中で、生きる目的探しをしていたら、

なぜだか知らないけれど、

「誰かの役に立ちたい」’

という考えがフッと出てきたのだと。

 

玄さんが言うには、

金の亡者で生きるのも、人助けをするのも、目的を持つということでは一緒。

目的とは言葉を換えれば依存症。

「俺の場合は、生きるということを考えた時、

フッと、阪神・淡路大震災(1995年、1月17日に発生した兵庫県南部地震による大災害)の時、

長田区のど真ん中にテントを張って、

ボランティアをやった時の光景が浮かんできた」

 

で、ボランティアとは何かを知るために、紀伊国屋書店に行くと、

3階に、ボランティアとかNPOに関する資料を置いた特設コーナーがあった。

資料を読みながら玄さんの脳裏に浮かんでいたのは、

テントを張って、ご飯を炊き、おにぎりをつくり、

必死で配っている光景だった。

「あの時は坊さんも一緒になって応援してくれたなぁ」とか

「昼も夜も境なく、金儲けにどん欲で、どん底もみたな。

そういう経験をしているのは俺くらいのもんやろう」

で、行き着いたのが、

「これからの命、今までの経験を活かして、困った女、子供を救うためにささげよう」

ということだったそうです。

玄さん曰く

「俺は依存症で何かにすがってないと生きられない、

そのすがるという目的が、金儲けから人助けに変わった、

それだけのことで、同時にそれが俺が生きるための術でもあった」

というのです。

しかし、そうは言っても、もっと何かなければ、

人はそんなに変われない。

貰った資料をゆっくり読み、

出版された本「大阿闍梨酒井雄哉の遺言」を読み込んで、

変化について、もう少しせまってみたい。

そのように思っているのが、私の今の心境です。

頭の中が整理できたら、また書きます。

今日は変化、人が変わる、生き方が変わる、

その心理状況について書いてみました

いかがだったでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます

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