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凄いね、鉛筆1本で
墨(鉛筆)の濃淡だけで花の瑞々しさ、生き生き感を描きだしていくんだから、これは大変な世界である。
ドローイングというのだそうだが、昨年、否 今年の年明けだったか、東京都美術館で見て、初めて知ったの。
この時も、北原かずこさんの作品が入選して、それを見に行ったのだった。
イヤー、驚いたね、鉛筆一本で、写真よりもリアルなんだもの…
だから今回は、どんなの見せてくれるのかと思って。
友人に武蔵野美術大学(油絵)を出たのがいて、その人に、
「これどう」
そういって、北原さんの描いた百合を見せると
パッと見て
「これは凄い」
そう言って、しばらくタブレットを見入ってから
「俺も授業でやったけど、とてもとても…この人凄いよ」と。
以来、ドローイングというのが、頭にこびりついているのだ。
ドローイングとは
せっかくだから調べてみた。
いいのがあった。
「ドローイングとは何か展」開催にあたって、開催実行委員会代表の金沢毅氏(美術評論家)は次のように書いている。
かいつまんで紹介すると。
その中に版画、ドローイング、写真といった部門があって、絵画や彫刻と一線を画している。
ところが、日本には、写生やデッサンはあるが、ドローイングという表現領域はなかった。
だから今は、紙の上に描かれたものをみなドローイングと呼んでいる。
「ドロー」(Draw)とは、「引っ張る」「線を引く」という意味で、「ドローイング」は、線描画」と訳され、鉛筆、コンテ、ペンなどで描かれた線の集積による絵画のこと。
世界には、「版画とドローイング」の国際コンペもあって、この方面の芸術活動は活発で、 西欧では15世紀末に活躍したドイツのデューラーを初め、数多くの銅版画家が見事な線描の極地を見せている。
しかし日本には、型染めや木版画の伝統技法を背景に版画があり、版画と密接な関わりを持って育ってきたドローイングが根付かなかったのか不思議ということから、今回の企画を立ち上げた」と。
ところで、ドローイングというのは、どのように描いていくのだろうか
よく分らないけど、初心者は、
30秒という制限時間の中でデッサンをして腕を鍛えるらしい。
これをすることによって、素早く形の情報を読み取り、伝わるように描いていくスキルと、観察力と瞬発力が鍛えられるのだそう。
パット見て、パット撮る(描く)写真と通ずるものがある、
だが、
この訓練で絵がうまくなるわけではないと。
しかし、例えば人物画は人体の構造に対する理解や質感や明暗の表現などの絵画技法、様々な技術が複合的に重なって必要なので、瞬間的にそれを見て、何を捕まえれいいという技術が身につくらしい。
描くことに対して慣れてくると
絵を沢山描いていると、「ペン慣らし」としての効果がでて、これが後に大きな力になるのだと、
そう言えば、先輩がよく言っていた。
「行李(書類など入れる入れ物)に詰めた原稿がトラックに何台分にもなる位書かないと、いい文章は書けない」と。
そうだよね、やっぱり、コツを掴むまでが大変なんだよね、何ごとも。
30秒ドローイングのコツ
最初のうちは30秒で全体を描ききるというのは、とても難しいが、慣れてくると、余分な線は省いて、なるべく少ない線で描けるようになってくるらしい。
ここまで来て、ようやく、絵が描ける体制が整ったということか…
こりゃ大変だ。
しかし考えてみればそうだよね、鉛筆の濃淡だけで、デティールで立体というか、描きたいものをリアルに、シュールに描きだすんだから…
憧れるけど、僕にはできない(笑い)
ドローイングとは、絵画の原点であり、究極の表現スタイルとか。
難しい言葉だけど、なんとなく、分る(感覚としてだけど)
こういうのをやっている知り合いがいると、作品を通じて、言葉では表現しきれないサムシングを与えてくれる。
そう、だから僕は、ギャラリーに行くのである。
ギャラリーに行って、そこにいる人と何気なく話す会話のなかに、貴重な言葉、自分とは違う視点を気づかせてきうれるのがまた楽しい。
公募展「ギャラリーに行こう2021」8月8日まで(期間中無休)