
ひと匙の レイシーに宿る夏の味__雅督

僕がゴーヤという名前を知ったのは大人になってから。
最初に覚えた名前はニガウリだった。
昔、「サンデー沖縄」という新聞の取材で、
「苦瓜」をとりあげたことがある。
その姿を見た瞬間、
「これレイシーでは」と思った記憶がよみがえってきた。
そうなのだ。
子供の頃、隣の家のおばあさんの庭に、この植物の鉢植えがあって、
実は、黄色く色づいていた。
それを見ておふくろが
「これはレイシーという果物で、もう少し赤くならないと食べられない」と教えてくれたの。
そして頃合いをみて
「はい マー坊」と言って、持ってきてくれたの。
僕はそれを井戸水を張ったタライで冷やして、スプーンで種の周りのゼリーを掬って、口に入た。
甘くてちょっと酸っぱい味。

昨日、知り合いの女性が、
「ベランダでできた」といって、くれたの。
さっそく食べてみた。
幼き日、隣の家で見た、風景が思い出された。
記憶ってどこに眠ってるんだろうねぇ、
いろんなところから飛び出してくる。
時空を超えて。
スマホカメラって本当に楽しい。