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パンパン菓子、懐かしいねぇ、子供の頃の情景が思い出される。
そうそう、道端にある友達(竹馬の友)の家の庭に、リヤカーに、黒い大砲みたいなものを積んだオジサンがきて、そこに近所の人がお米を持って集まってきて、オジサンにお米を渡すの。
オジサンは、お米を受け取ると、大砲のような筒の蓋を開け、そこにお米を入れ、筒の下から薪を燃やして温めるの。
薪を燃やしながら、グルグルと、お米の入った筒を回転させていたと思う。
そうして暫くすると、
「良し、行くぞ」
そういうと、いきなりバーンという大きな音がして…
エッと思ったら、あら不思議、お米がお菓子に変身してるの
そう、お米がふっくら膨らんで、砂糖がうまくからまった美味しいお菓子が出来上がってるの…
余程印象的だったんだろうねぇ、このシーン、とてもよく覚えている。
出来上がったパンパン菓子、縁側に新聞紙を敷き、空気に晒すとパリとして美味しくなるの
友達の家では、大砲の中から取り出されたお菓子を、縁側に新聞紙を広げて、
その上にできた白いパンパン菓子を広げ乾かしていた。
そうすると、友達のお母さんが、別の新聞紙にそのお菓子を入れて
「はい、マーチャン(僕の名前マサアキだから、みんなそう呼んでいたの)これ持って帰りなさい」
そう言ってくれるの。
季節は秋だったようだけど、定かではない。
懐かしいねぇ…
その懐かしいお菓子を、昨日、鳥取の友達が送ってきてくれたの。
材料のお米は友達が、昔ながらの米作りの製法(稲城掛け天日干し、無農薬)でつくった美味しいお米だから、お菓子もとても美味しい。
電子書生で僕は、「お米の花の神秘」(まめしば書房)をつくっているのだが実をいうと、お米の花の撮影は、その友達に頼まれて撮ったもので、お米の花なんて、それまでは知らなかったのだから(笑い)
お米の花、エツ 雌しべってどこにあるんだよ、お米をつくっているおじさんでさえ知らないんだから…
メシベ それはいったい、どこにあるんだ。
だから、撮っても撮っても、「雌しべが写ってない」と言われ、3シーズン目でようやく捕まえたという難物撮影となったから、その撮影は忘れられないものとなったのだが、
この本は、おそらく世界で僕しか撮ってない、貴重なものと、僕は思っているのだ。
そのお米で作った、懐かしいお菓子、ポン菓子、パンパン菓子…
素朴だけど、美味しくて食べだしたら止まらないの…
いろんなことを思い出しながら、
これ(パンパン菓子)を食べていると、
無声映画のように友達と遊んだ映像が脳裏に流れて、思わず、目頭が熱くなって涙がこぼれた…
思い出の中でしか帰ることのできない、思い出のシーン
「故郷は遠きにありて思うもの」つい、そんな歌が口から…
もう、母も叔母も、みんないなくなってしまったが、やっぱり懐かしい故郷
2回目のワクチン打ったら、一度行ってみようかな、そう「吾亦紅」という歌を口ずさみながら…