フォトエッセイ

ヒメユリ、可憐な花だけに、歴史の傷跡がオーバラップされて、心が痛む

投稿日:

目次

僕は「戦争知らない子供たち」の世代だけど、“ヒメユリの塔”がどういうものか位は、知っている。

悲しいね、戦争、断固として反対する。
なんで人が人を殺さなければならないのか。

君死にたまふことなかれ(与謝野晶子)

「あゝをとうとよ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ、
末に生れし君なれば
親のなさけはまさりしも、
親は刃(やいば)をにぎらせて
人を殺せとをしへしや、
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや。

堺(さかひ)の街のあきびとの
舊家(きうか)をほこるあるじにて
親の名を繼ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ、
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家のおきてに無かりけり。

君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戰ひに
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の血を流し、
獸(けもの)の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ」

与謝野晶子 やっぱり凄いね。

こいう歌、子供の頃からお袋によく聞かされていたから、記憶に残っているのだけれど、大人になって、内容が理解できるようになって、再び詠むと、凄いと思う。

つい最近(といっても、随分前だけど)
インパール戦の資料をまとめなければいけないことがあって、友人のお父さんが書いた資料を読ませていただいたのだが、馬鹿な大将のお陰でもう無茶苦茶、
その人、結局、責任を取らない役人の第一号になったのだが、無謀な作戦のお陰で、
「白骨街道」と言われる程の死体の山をきづいても、本人は素知らぬ顔で生き延びているのだから…
この資料読むと、今の政府とまったく一緒。
リーダーが悪いとろくなことにはなっていかないと分かっていても、何もできない国民もまた愚かだと思う。が、いかんともしがたい。

なんか、のっけから変な話になったが、「ひめゆり」という言葉に触発されてつい…

ヒメユリ

日本の原産で6月から7月が開花時期。沖縄にはヒメユリは自生していないらしい。

ヒメユリ英語では、Morning star lily(星の花)というらしい。
「夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ」と、万葉集にある。
「相手に知られない恋は苦しくてせつないもの」という意味らしい。
年をとると、それがいいんだよね━と、僕は思っているのだけれど…(笑い)

 

-フォトエッセイ

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

ゆり根

目次 正月用品、雰囲気につられて衝動買い 正月の用意、何もするつもりはなかったのだけれど、皆が買っているのを見ると、つい釣られて(笑い) 小田原「丸う」の蒲鉾、伊達巻、今年が最後と聞くと、エーと思いな …

ワタシ歌う人(鵜)ワタシ踊る人(鵜)宴会 本当に楽しいね

目次 歌って踊って ああ楽しぃ  「まあ、いいからホラやれよ…」 昔からこうして、イヤなことを忘れてきた なんでもないようなことだけど、これは生きるための、極めて重要な知恵だったのかもしれない。 お座 …

西施(古代中国の四大美女の一人)をイメージして撮ったんだけど…

目次 想像の元は、芭蕉の 象潟や雨に西施がねぶの花 西施は中国四大美女のひとり。 持病のため眉をひそめることが度々あったらしい。 ところが、その表情が美しさをより引き立てたことから、影のある美女と言わ …

メラストマ ノボタンと言われても、アッそうと言うしかないんだけれど、色がいいよね

思うに、帯とは、動くシルクのキャンバスで、帯こそ芸術と僕は思っているのである。
着物を着るというのは、職人が精魂込めて作った芸術を、よりよく見せるためのモデルとなるわけだから、そりゃ覚悟がいるよね。
こういう人にお酌をされながら、
「信州信濃の新蕎麦よりも わたしゃあなたのそばがいい」なんて言われたりすると、そりゃもう黙っていられなうなるよねぇ(笑い)

シャムの舞姫、グロッパ・ウイニティーショウガ科の花らしい

目次 「シャムの舞姫」 これといって特徴はないのだけれど、なんとなく惹かれると思ったら、そうなんだ、 「シャムの舞姫」 そういうのを知って見ると、なんとなく、そんな気がしてきた。 なんとなく妖しいよね …