干し柿 口に広がる郷愁のシーン
「なんだよ また干し柿かよぉ…」
冬になると、
あって当たり前というような感じで、
ブツブツいいながら食べていた干し柿だけど
今やそれが高級品
齧ると、
口の中に甘さとうまさが広がって…
ああとつい思い出す子供の頃のいろんなシーン
懐かしいねぇ…
硬い干し柿を奥歯でグッと齧って
口をクチャクチャさせながら
横の石の上にポンと置いて
ポケットから小刀を出して竹とんぼつくるの…
友達のサーチャンは手先が器用で上手につくるんだけど
僕は不器用で
「おめぇ そねーに力をいれたら羽の形がつくれないから
ゆっくりと
スーッと薄く削って
片方の羽ができたら今度は背を反対にして…」
「アーおえんおえん(だめだめ)…」
「ちょっとかしてみぃ」
そういってサーチャンがいつも形を整えてくれるの(笑い)
サーちゃんのつくる竹とんぼは
羽の中心の上下にちょっと切り込みをいれて、
それを受ける芯棒をつくって羽を乗っける受け口がつくってあるので、
手を滑らせてポイと飛ばすと、
芯棒は下に落ちて、
羽だけが舞い上がって飛んでいくの
それは見事な竹トンボだった
いくつもいくつも作っていれば多少は僕のも見えるようになってきたけれど、
サーチャンのは売り物になる程に見事だった」
干し柿を食べていたら、
そんなシーンが次々と思い出されて…
懐かしいねぇ…
そういう時代もあったんだ
それが今や高齢者
ハハハだよねぇ…
でも思い出はいつまでたっても昔のまんま
垣根の石垣の上にチョコンと座って
硬い干し柿を齧りながら…
で、
写真を撮って
さてと思ったら
ついそんなシーンが思い出されて
走馬灯のように、
昔のシーンが走ったから…
そのまま
干し柿を
もらいて噛めば
走馬灯と
元気してるのかなぁサーチャン…
暖かくなったら一度岡山
行ってくるか…
そう言えば
先日
「茶とアン」のママが岡山に行くというので、
キャノンのフォトブックで作った
「ノスタルジックジャーニー」(B6版100ページ 絶版)
(わが郷愁の町・岡山県都窪郡吉備町庭瀬)を
お父さんにあげてと…
そうしたら
「お父さんすごく喜んでくれたと」
ママの実家は庭瀬ではないのだけれど、
すぐ近くだから…
嬉しいねぇ
なんだか会って会話しているようで胸が熱くなってきた
やっぱり地元の人が見て喜んでくれるのが嬉しいよね…
本づくりは本当に楽しい(愉しい)