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一枚の写真には、数万語におよぶ記憶が書き込まれている

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今日は、久保雅督です。
「撮って書いてワヤで笑える人生日記」
にお越しいただきありがとうございます。

今回も雑文です。

テーマは、
「一枚の写真には、数万語におよぶ記憶が書き込まれている」です。

ブログを始めてから、俄かに、写真のバリエーションが必要になってきた。

そうなのです。
文章は、記憶を辿ればなんとかなるのです。が、写真だけは、ないものは使えないので、必要となれば、カビの生えた古い箱からでも、探し出さなければならないのです。

特に、「心について表現」しようとすると、

かつてブームとなった、コンテンポラリーという手法の写真
(わけの分からない感覚的写真)
がピッタリなので、そのネガを探しているのです。が、思っているところになくて、困っているのです。
年齢的(70歳)に、
「余分な荷物は捨てて、身軽になろう」
そう思って、大掃除した時に、捨ててしまったのかもしれない…
だって、その頃には、ブログなんかやってないし…

今から何十年も前のモノクロの写真が必要になるなんてねぇ…
しかし、ないものはない。

気持ちを切り替えて、前に進まなければ、
いつまでも拘っていらのでは、何もできない…

そう思って、カラーのスライドを入れたパネル
(35ミリのスライド写真をマウントしたものが5枚×5枚の25枚入っている)
をめくっていたら、
なんと、そこに、探してしていた白黒のネガが

「これじゃん」
というパネルが一枚出てきて、大喜び…

さっそくスキャンして写真にしてみた。

OH 懐かしい!

一枚写真が出来上がるたびに、写した当時の状況が如実に蘇ってくる…

とりあえず、フェイスブックにアップして、
メモ変わりに、思い出したことを記事にする。
フェイスブック、これ程素敵なメモはない。
そう思って、私は毎日アップしているのです。

 

ビギナーズラック

写真専門学校へ入学。
オリエンテーリングのモデル撮影会で撮った写真が、
なんと佳作に選ばれるという、ハプニングが…

カメラを持ったのは、この時が初めて、その時 撮った写真でいきなり受賞

この写真は、写真専門学校に入学(18歳)して、そのオリエンテーリング(2泊3日の合宿だったと思う)のモデル撮影会で撮ったもの。

カメラを持ったのは、この時が初めて。

それがなんと、佳作に選ばれていたのだ。

ビックリした。

というわけで、この写真は、良くも悪くも、私にとって、忘れることのできない写真なのである。

タイトルは「リーフ」

カメラを持ったのも初めて、フイルム現像も、プリントも、全て初めて。

まさに絵に描いたようなビギナーズラックだった。

この記事に対して、FBの友達が、

「ビギナーズラック センスがなければ、それは来ないです」
というコメントを。

人からそう言われると、とても嬉しい。

それにしても、50年も前の写真、よく取っていたなぁと、自分自身で驚いている。

コンテンポラリフォトグラフィーの時代

OH、この写真は23歳の頃の作品。(今は70歳)
コンテンポラリーフォトグラフィーという手法の写真が流行していた。

コンテンポラリーフォトグラフィー

現代的、同時代性で、

「技術よりも感覚」を重視する表現スタイル。
別名 意識的欠陥写真とも言われ、
ボケ ブレ 荒れ… なんでもOK。

技術に拘らないからこそ、伝わるものがあるという考えかた。

今まさにこの瞬間を

写真で言えば、ファインダーを覗かないで、ハッと思った、その瞬間を撮るというもので、
この頃小説では
人間社会の不条理をテーマにしたアルベール・カミューの
「異邦人」やジェローム・サリンジャーの
「ライ麦畑でつかまえて」
などが人気になっていた。

この頃は、週間誌がどんどん創刊された頃で、とりわけグラフ雑誌の人気が高く、それに付随して、写真を撮る人が増えた時代だった。
私も、熱病にかかったように、そういう写真に傾倒していた。

この写真は確か京都の「国画会」という公募展に出品したもので、
サンケイ新聞社賞というのを貰った作品。

そういう公募展に出品したのは、これが最初で最後だった

というのは、写真は、そういうところで、審査を受ける対象のものではないと思ったからというのが、記憶の隅にある。

「私は写真家の久保と結婚したのであって、ビジネスマンの久保には、なんの魅力もない」

この頃、私はすでに結婚していた。が、写真家になる夢が捨てきれず、夢を持って、岡山から再び東京に出るのだが、
生活を支えるために、写真も随分と変わっていき、
やがて雑誌社をつくり、企画制作会社をつくりして、次第にビジネス感覚が強くなってきた頃
「私は写真家の久保と結婚したのであって、ビジネスマンの久保には、なんの魅力もない」
と、パシッと言われてしまった。
「私には、その意味が理解できなかった」
そう 
「お金を稼いで何が悪い」
というのが私の主張だった。

一枚の写真から、いろんなことが思いだされる…

人生って 本当に難しいね。
もしかしたら、体験しなくていいものを随分体験したのかも知れない…
いづれ、そういうことも踏まえて、書き綴ろうと思っているのだが、なかなか…

そう、まだ時間はある…

これも懐かしい 
この写真も23歳の頃の写真(今は70歳)

先生の所に作品を持っていくのに、昼間は会社に行って、撮る時間がないから、夜が私の撮影時間だった。
先生曰く
「夜は汚いものを消してくれるから非常にいい」と。

この頃、写真はコンテンポラリー。 
映画ではヌーブェルバークという、新らしい波。
フランスで始まった芸術運動
例えば、35ミリのアリフレックスを手持ちで撮る、というような手法の撮影で、
まるで酔っ払いが撮ったような映像になるのだが、リアリティ、空気感を伝えるために多用されていた。

そういう映画のなかて、とりわけ印象に残っているのが、
ジャンリュック・ゴダールの
「勝手にしやがれ」
ミケランジェロ・アントニオーニーの
「さすらい」
私は、アーサーペンという監督が好きで、
「俺たちに明日はない」は何回も見た。

そう、学生時代、仲間の会話について行くために、
学校にも行かないで、映画館とジャズ喫茶に入り浸っていたのだから…

写真は岡山駅前で撮ったもの。
当時は、ダンスホールも盛んで、ツイスト、ジルバなど、よく踊っていた。
懐かしいねぇ、写真が1枚あると、記憶が一気に蘇ってくる。
写真って、本当に素晴らしい…

この写真をFBにアップしたら、FB友達が、

「写真は多くを語りますね。青春時代の思いでまでも…」というコメントをくれたので、
「うん、この頃は燃えていた。とっても純粋だった」と返信したら
「今も純粋では?」と再び

それに対して

「そうかなぁ そうだといいなぁ いつまでも子供だね…でも、そうあれたら嬉しい」と。

本当にそう思った。心がジーンとあつくなった。

写真って、本当に素晴らしい。こんな年齢になっても、こうして遊べるんだもの。

「一枚の写真には数万語に及ぶ文字が書きこまれている」

いかがだったでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 
 
 
 
 
 
 

 

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