フォトエッセイ

泰山木 この木、この花には特別の思い出がある。写真を撮っていたら、懐かしい思い出が

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大木に咲く、白い大きなモクレン科の花、僕は子供の頃から、ずっと、この花を見て育ってきたの。

今は没落の象徴のようなみすぼらしい姿を晒しているが、僕の育った母の実家は、古くて、とても大きな家で、庭の中でキャッチボールは十分できたし、手製だけど、門の脇に、卓球台をつくって、学校から帰ると、友達が集まってきて、毎日のようにやっていた。

小庭という侘び寂びの世界の中に、不釣り合いな大きな泰山木が

その庭の中に、土塀で囲まれた小庭というのがあって、そこに大きな泰山木が植えられていて、今頃の季節になると、白い花をいっぱいつけていた。
子供心に、座敷に座って、小庭に咲く泰山木の白い花を眺めていると、腹の底から、何か希望が湧いてくる、そんな雰囲気を感じていた。
その頃は祖父(母の父)は町長(5期務めて、4期無投票)で、僕には父はいなくて
(僕が一歳の時亡くなっている)
母子家庭だったけれど、この家のお陰で、なんとなく、得をしている、そんな雰囲気を感じていた。

泰山木、懐かしいねぇ…

写真を撮りながら、いつの間にか、子供の頃が思いだされて、ちょっと、切なくなってきた。
だって僕は、日銭稼ぎをしに東京に出てきたわけではないものねぇ…

それはまぁ、流れ流れての結果なんだけどね、先祖が見ていたら、
「おまえ何やってるんだ」
と、なげくだろうねぇ、きっと。

でも、しょうがないじゃんねぇ、生きなきゃだめなんだから、

でも、思い出は、祖父のたなごころのなかで得た、目には見えない何か特別なものがあって、忘れられないのかも知れないねぇ。
実際には母子家庭で、母の細腕で育てられたわけだから、決して裕福ではなかったと思うけれど、ことあるごとに、
「おじいちゃん」
と、声をかければ、ほとんどの夢は叶えてくれたから、それは素晴らしい印籠(呪文)だったからね…
そりゃ、懐かしいわねぇ(笑い)
だからというわけではないと思うけれど、白い泰山木の花、写真にすると、なんとも神々しく見えるのである。

泰山木、調べてみると、モクレン科の花で、漢字でかけば木蓮。

なる程、蓮か、蓮華かと…
蓮華には華果同時(けかどうじ)という意味がある。
華果同時とは、思った瞬間に現実が現れているという意味。
なる程、それでか━と、一人納得してしまったのである。
いいね、かってな解釈…
これも、生きるためには必要な方便…
そんなことを思っていたら、笑いがこみあげてきた。

 

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