コラム フォトエッセイ 雑記

「ドローイングとは何か」展、東京都美術館に展示された北原かずこさんの作品

投稿日:2021年1月27日 更新日:

知り合いの画家の作品(鉛筆一本で描いたドローイング)

会場で係の人に「撮っていいですか」と尋ねると、
「どうぞ」というので撮らせてもらった。
しかし、ライティングもなにもしないでの撮影なので、記憶を頼ってトーンを調整して、本物に近づけたつもりなのだけど、果たして…

今日、友達の画伯に会うので、タブレットにいれて

「これ、どう」
そう言って見せると、
「凄い」
見た瞬間、そう言ってから
「ここまで描ける人は、そうはいないいんだよねぇ」と。

画伯は武蔵美の油絵なんだけど、授業ではやはり、ドローイングというのをやるらしい。

「ドローイングは、すべての絵の基本だからねぇ、僕もやったけどとてもとても、だから、子供の絵みたいな、訳の分からないものばかり書いているの」

画伯はそういうが、その抽象画、構成、色彩感覚が凄くて、さすがの世界なのである。

その画伯にドローイングについて、

「鉛筆一本で、凄いね」と水をむけると、
「例えば一万円札、うまい人がズーッと書いていくと、一瞬だけ、本物とそっくりが姿を現すの。そこで止めればいいんだけど、さらに欲を出して鉛筆を入れると、瞬時にしてすべてがぶち壊しになってしまうの、その頂点の見極めが難しい」と。

僕は絵は描けないけれど、言っていることはよく分る(感覚的に 笑い)

「それにしても、白のこのデティ-ル素晴らしいよね」
そういうと、
「一番白い所は、紙の地の色を生かして周辺に鉛筆を入れるんだけれど、難しいよ」
「なる程、そうなんだ」
「昔、川合玉堂記念館を取材した時、孫の館長さんが、玉堂は雪の中の白鷺を得意としたんだけど、雪よりも白鷺の方がなお白い、これには驚きますよ」と。
長い間疑問に思ってたのだが、今日、なる程と理解できたのだった。
「それにしても、鉛筆一本で、一体、どこから描いていくの…」
そういうと、
「普通の人は、絵を描くとき、部分から描いていくけれど、多分、この人は全体から攻めていると思うよ…」
そう言ってから、
後は形よりも陰影…
全体を見ながら、光、陰影を捉えて描いていったのだと思う。
「部分でとらえたのでは、こういう生きた絵にはならないもの」と。
なる程、そうなんだ…
「それにしても凄いよね、写真よりもリアルだもの」
「これだけ描けると、楽しいよなぁ」と、画伯も。
北原さんの絵、それほど凄い絵なのである。
北原さんの絵のお陰で、とてもいい勉強させてもらった。
果たして、画伯の言っていることが正しいのかどうなのかは分からないけれど、感覚的に僕は納得できたのである。
北原さん、勝手に教材にさせてもらた。ごめん 久保 雅督

-コラム, フォトエッセイ, 雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

コンテンポラリフォトグラフィーの頃

目次一枚の写真の中には何万語にも及ぶ記憶が頭で考えない 感じた瞬間を記録に残す。それがコンポラと思っていた荒れ ブレ、ボケ… 写ってないのも、感じれば、それが作品なのだから、写るメカニズムむなんか、考 …

列車いいね、

目次電車オタクではないけれど、なんとなく、心を惹かれて…線路を眺めていると、列車を眺めていると、まだ見ぬ遠くの世界にさえ繋がって、本当に楽しい。 ワゴンリーの最後のオリエント急行の旅も、忘れ得ぬ貴重な …

蕎麦と花と登山靴

目次レンゲショウマ 花言葉は「伝統美」あ〜っ 靴の裏が剥がれた、どうしよう…退化劣化した靴底は接着剤が着かないんだって備えあれば憂いなしで 先に予防措置を施す丹三郎蕎麦屋をちょっとだけ紹介蕎麦がきを肴 …

キレイとか可愛いだけではなく、よく見れば、花にもいろんな表情がある。

目次歌う花嫌なことはとにかく記憶から消してしまう。それが大切なのだが…「忘れようとすればする程、記憶してしまうんですが…」歌を歌えば、簡単に、無我の境地にいくことができる 歌う花 (勝手に命名) だっ …

何が捕れるんだろう…今もこういう遊びあるんだ…

目次ヘー魚捕りか、懐かしいねぇ童暦(どうれき)この言葉好きだなサーチャン(竹馬の友)元気してるかなぁ ヘー魚捕りか、懐かしいねぇ なんだか随分暖かいよね、2月だよ… 時期的には、最も寒い時だと思うんだ …

広告


 

名前:クボッチ

写真好き トレンドを中心に書いていきます