カメラ コラム フォトエッセイ 写真エッセイ 雑記

どう、これ… なに、撮れって誘てんの…

投稿日:

目次

なに、それって、誘ってんの

「サーお撮り」
「随分慣れてるねぇ」
「アッ そうなんだ、モデルなんだ」
「いいよそのポーズ」
「オーそれそれ、もうちょっと横向いて うんいいよ ソレソレ、よっしゃいただき…」
心と心で、そんな会話をしながら撮った写真。

多分、鵜だと思う。井之頭公園には、何匹か住み着いているらしい。

鵜は魚捕りの名人。
しょちゅう、水の中に潜っているから、時折、こうして羽を広げて乾かさなければだめなのだと思う。
そのタイミングで遭遇したんだと思うけど、どう見たって、これ、
「サーお撮り」と、促しているように見えるよねぇ…
曇天だけど、背後が明るくて、シルエットになったのが、かえって面白くしてくれた。そのように思っているのである。

撮影って、本当に楽しいね、いろんな出会い、いろんな発見…

カメラを持って歩いていると、不思議と、疲れを感じないのである。
かつて、赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊、林丈二、松田哲夫、杉浦日向子、荒又宏らによって出版された「路上観察学入門」という本(筑摩書房)の記者発表に合わせてつくられた「路上観察学会」(実際には学会的な活動形態をとっていたわけではない)というのがあって、面白いなと思って買ったのだが、そういうことを意識すると、日常が本当に楽しくなってくるのだ。
思うに、FB INNSUTAGURAMUというのは、その延長線上にあるのではないかという気がする。
今はスマホで、いつでもどこでも写真が撮れる、しかもそれぞれが発表媒体を持っている…
「私、こんなものに遭遇しちゃった」
楽しいよね…

撮ったら、だれかに見てもらいたよね…

「ネェネェ、見て見て、私こんなの撮ったの…」
楽しいよね。
こういう文化の中で暮らせる、本当に素晴らしい文化だと思う。
僕の場合は、今までやってきたことが、こういう形で楽しめるという社会ができあがったことに、この上なく喜びを感じているのである。
人生の終盤にきて、こういう遊びができるなんて、思ってもみなかったもの。

 

-カメラ, コラム, フォトエッセイ, 写真エッセイ, 雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

サイレントナイトを楽しむ

目次 静かに夜は更けてゆく 「オッ 今日はおとなしい舞台設定だね」 「クリスマスってね、毎年、お店が暇なのよ」 「クリスマスだから、賑やかと思っていたら違うんだ」 「だって、この日は、家族でしょ」 「 …

美味しい蕎麦と美味しい酒、そしてレンゲショウマ

目次 レンゲショウマ 毎年の楽しみなのに今年は断念(残念) 毎年今頃、早朝に新宿を出て青梅に行き、 そこで電車を乗り換えて、古里というところにある藁葺き屋根の古民家のお座敷で、蕎麦がきと稚鮎、舞茸の天 …

鯉のぼり 鯉の吹き流しともいうらしい 端午の節句の風物詩 男の子の成長を願って

目次 風を受けて気持ちよさそう 鯉のぼりは端午の節句で男の子の健やかな成長を願ったもの それは知っているんだけれど、端午の節句の端午って何と、つい 端午についてきっちりと書いたものはないが、もしかした …

収穫祭

目次 秋はやっぱり「収穫祭」だよね 多分、収穫祭のイメージだと思うんだけど、やっぱり秋はこれだよね。 だって春に種をまいたものが、やっと実って、収穫できるんだもの、そりゃ、嬉しいよね。 すべての苦労を …

ポピー ヒナゲシ 虞美人草 物語を知ってしまうと、まさにという感じ 

目次 ポピーというと、爽やかに感じるけれど、もの語りを知ると、なる程と、つい思ってしまう。 この花を有名にしたのは夏目漱石。 そう、「虞美人草」という本で。 なんの本で読んだか忘れたが、小説は書き上げ …