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翼よあれが巴里の灯だ。無理無理、こんなので外国なんかとても無理。でも気持ち良さそうだな

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ファレノブシスは(蛾のような)胡蝶蘭のことなんだけど、僕の目には、空中遊泳を楽しんでいるように見えてしまう

今まさに降りようとしているところ、そんなイメージなのである。

「しかし、いくらなんでも、これでは外国へは行けないよね、すぐ、海に落ちて藻屑だよ」と僕
「なんで」と、蘭がムキになる。

空中というのは、何もなくて広い空間のように見えるけどね、風が吹いて、気流が流れていて、海の水のようにうねっているの

「だからなんなの」と蘭
「だから優雅な飛行なんて、無理なの、その辺をチョコっと飛ぶならいいけどね」
「そうなんだ」
「そう、自然だって、呼吸をしてるんだよ」
「そうか、空って、そんなに難しいのか、巴里に行こうと思っていたのに」
「残念だね、でも、イメージとしては、君のそのスタイル、決まってるよ」
「そう」
「…」
「うん、とてもいい」
「だって、君の名前、ファレノブシスというのは、“蛾のような”という意味だものね」

蛾というと、なんとなくというイメージがあるが、実際には、蛾と蝶、区別するのは難しいらしい。

そうだよね、「蛾のような」と言われても胡蝶蘭、キレイだものねぇ…
「今日は、いろんなことを学ばせてもらったねぇ」
「ところで、最初に出てきた “翼よあれが巴里の灯だ”というのは、なんのこと」
「ああ。あれか。あれはね1957年のチャールズ・リンドバーグの伝記映画のタイトルなの」
「チャールズ・リンドバーグって何した人」
「そうだよね」
「…」
「チャールズ・リンドバーグは、単葉単発単座のプロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び、大西洋単独無着陸飛行に初めて成功した人」

空を飛ぶって、そんなに難しいことだったんだ

「うん、空を飛ぶこと、長いこと、人類のあこがれだったからねぇ」
ちなみに、明治初期の1891年に、
「鳥形模型飛行機」というのを二宮忠八という人がつくっており、有人飛行を成功させている。

知られていないが、初めて有人飛行を成功させたのは、日本人の二宮忠八らしい

飛行機と言えばライト兄弟が有名だが、年代で比較すると、二宮忠八の飛行機の方が、10年も早く完成しているのである。
ということは、飛行機を初めてつくったのは、ライト兄弟ではなく、日本の二宮忠八ということになるのだが、史実が分かっても、すでに出来上がったイメージは変えられないんだね…

 

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