つれづれ コラム フォトエッセイ 雑記

冬の印象

投稿日:

白い画用紙に、水彩絵の具を筆でピッピとまき散らした感じ。

鉛色の空とむき出しになった枝がパターンとなって、紅葉の残り葉がアクセントをつけている。
これこそ、冬の風景ではないか…
そう思って撮ったのだけど。
子供の頃、長期休暇の制作課題が間に合わなくなったとき、この手法で絵をつくり、適当なタイトルをつけて提出していた。
僕は勉強はできないし、絵も下手で得意なのはスポーツだけだったのだけれど、
小学校5年生6年生の担任の先生は画家で、日展でいつも入選とかしていた女の先生だったのだが、どういうわけか、張り出される絵の中に僕の絵が選ばれていて、高い評価をくれたのである。
一体、どうして…
自分でもその理由がわからなかったのだが、中学に行っても、高校に行っても、
「技術だけなら満点をやるんだけどな」と、高い評価を受けたのである。
今考えると、
もしかしたら、人がやらないようなことを大胆にやったのが良かったのかね…(笑い)

写真屋の親父にボロクソ言われたけれど…

写真を始めてからは、時代的に皆が熱病にかかったょうにやった「意識的欠陥写真」、コンテンポラリーフォトグラフィーにのめり込んで、夜の街角の写真などをよく撮っていた。
その作品をもって、先生が声掛けをした人たちと3人で、岡山の県立の美術館で「写真造形展」という展覧会をすることになった。
すべてを全倍で飾るというので、先生が選んだ作品を先生の知り合いの写真店でプリントしてもらうことになり、ネガを持っていくと、写真店の親父さん、見るなり、エーッと大声を。
で、いきなり受話器をとって先生に、
「今ネガを見たけど、もう無茶苦茶ですよ」と。
でも先生は言ったたらしい。
「大丈夫、やってごらんよ、ビックリするような写真になるから」と。

あのネガで、こんな写真になるんだ

後日、出来たという知らせをうけてとりに行くと
「驚いたよ、こんなになるんだぁ」と、何度も。
この一連の作品、後に国画会の主宰する公募展に出品したところ、なんと、サンケイ新聞社賞という賞をいただいたのだった。
後にも先にも、展覧会、あるいは公募展というものに出品したのはこの時だけなのだが、どうやら

僕には無茶苦茶がいいらしい。

そう言えば野末陳平の「名前のつけ方」という姓名判断の本によると、
僕の本名は20画で
「これはもう、タイトロープの上を歩く人生で、一か八かという人生と、諦めていくしかない」と。
結果から見ると、当たらずとも遠からずというものになってしまった(笑い)

得意としたフォトエッセイの所々に無茶を生かす

しかし、職業カメラマンになると、こんな写真を撮っていたのでは使ってもらえないから、ルポ、フォトエッセイ(僕が現役の頃には、週刊誌でも月刊誌でも、一折、二折くらいはグラビアページがあって、数ページで一つのテーマを表現するというのがあって、それ用の企画を立ては、いろんな雑誌のグラビアをやっていた)
のだが、その所々に、こういうのを入れて出すと
「担当者から、君の作品にはなぜか、デザイナーが燃えてくれるんだよね」と言って褒められたのを、今もハッキリと覚えている(ここ、もの凄く強調して笑い)。
そう言われると、若いから、すぐ調子にのって、
「よし」と張り切ったのを、昨日のことのように思いだした。

いい時代だったよね…

今は、そういうようなページないんだものね
(最近雑誌見てないから分からないけれど、僕は、今の雑誌はカタログと思っているから…」
やっぱり時代ってあるんだよね…
そういう意味でも、いい時代を走り抜けてきたと思っているのである。

-つれづれ, コラム, フォトエッセイ, 雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

極めてシンプル だが、赤と黒という配色がそう思わせるのか、何かを感じる

目次究極の美しさとは何か…「赤と黒」この言葉にも惹かれるものがある。高齢になって振り返ると、何にもないね人生の意味なんて 究極の美しさとは 美とは、突き詰めれば、無駄なものを排除して、極めてシンプルに …

移りゆく秋

目次風景は生き物、改めてそう思うと、やっぱり感じるものがあるこういうので一冊、写真集つくりたいよね━とつい思う 風景は生き物、改めてそう思うと、やっぱり感じるものがある 風景は生き物なんだ。 そんなこ …

クリオネが流氷の天使なら、この花は森の妖精だ。

目次いつの間にか、こんな会話をして楽しんでいた花もやっぱり、人の感想を気にするのだろうか…アルストロメリア・ミディピンク アンデス山脈の寒冷地に自生するらしい。日銭稼ぎの仕事も、契約更改というのがあっ …

ヒヨドリさん楽しそうだね、口笛が聞こえてきそう

目次寒桜の甘い蜜は、ヒヨドリ(英語でブルブル)の大好物。カメラを趣味とする僕は、実はメジロを狙っていくのだけれどね、ヒヨドリ 一見 地味だが、羽を広げると、とってもキレイなの。 寒桜の甘い蜜は、ヒヨド …

春の印象 張りつめていた空気がほんわか緩んで、ああ いいね

目次ああ 春だと思わず何気ないない日常の中の何気ない非日常、それがいいのだスマホ忘れて、再びの小旅行全てを紐でつないでポケットに、ポケットは物を入れるところではないのだ ああ 春だと思わず 五日市の小 …

広告


 

名前:クボッチ

写真好き トレンドを中心に書いていきます