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ドーヤ、このコート…ウン、いいよ、とってもいい

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シャッター音で会話を楽しむ

「ドウヤ、このコート…」
体をユサユサと揺すって、時折こちらを見ながら、誘ってくるの。
で、シャッターを切ると
「よし、じゃぁ次…」
顔の向きを変えたり、体の向きを変えたりしながら、しきりとシャッターを促すの…
「慣れてんだね、撮影…」
「分る」
「そりゃ、分かるよ、シャッターを切る度に、ポーズ換えてんだもの」
「うん、写真撮られるのとても好きなの」
そうなんだ。

日本舞踊の写真を撮って、同じ経験をした

実はちょっと前に日本舞踊の写真頼まれてね、その女性、本格的にやってるから、すごく上手いの。
勿論、撮影だから、舞台の真ん中の延長線上の一番いい位置に陣取って、
本番までに何人かの写真を撮って、カメラの調整をして出を待つわけ。
こういう撮影をする時、僕が意識することは、
決まりのポーズから次の動きに移行するその瞬間を狙うわけ。
決まった時の目が残ったまま体がちょっと動きを感じさせるその瞬間こそ、僕は美しいと思っているのである。

すると、その音を聴いて、
「そうか、そうきたか」と判断して、今度は向こうから、
「これはどう」と誘ってくるのだ。

「オッツ、いいね」
そういう意味でシャッタを入れる、

数分間、お互いが音を介してコラボするのだが、
舞台を降りてくるなり、
「楽しかったね」とお互いに。

人物写真などで、沢山シャッターをきるのはそのためなのだが

よく言われるのがが、
「それだけ撮れば、何点かはいいのがあるよね」(笑い)
そういう時には逆らわないで、
「そうだね」
笑いながら、そう答えてから、
「実はね、コレっという狙いのものがあって、それを引き出すためにシャッターを切っているんですよ、だから、それまでの写真は全部すててもいいんだけどね、シャッター音には、実はそういう効果があるんですよ」
そういうと
「アッ そうなんだ」と、聞いた人は驚くのだが、そうなのだ、
皆が皆、そういう考えでやっているのかどうかは知らないが、僕は、そういう方法を取っているのである。

以心伝心

ちょっと意味が違うかも知れないが、
写真を撮っていると、そういうのを感じる(心が通じたと思う、思われる)ことがよくある。
そう、動物でも植物でも風景でも人でも…
そういう時は、背中がゾクっとして、本当に嬉しい。
動物園で写真を撮っていると、そうやって、誘ってくる動物も結構いるので、楽しいのである。

動物でも、植物でも、人でも、敵意を持たない相手には、敵意は表わさない

長い写真家生活を通じて得た、僕の悟りである。
今日は天気がよさそう、
カメラ、まだ、今いち馴染めてないので、今日は神代植物園に行って、いろいろ、試してみようと、思っているのである。

 

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名前:クボッチ

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