コラム フォトエッセイ 思いつき 本の紹介 花ものがたり 雑記

ヘリオトロープ 前にこの写真、一度出しているのだけれど、ちょっと気になることがあって、再び

投稿日:

目次

ヘリオトロープ

前にこの写真、一度出しているのだけれど、ちょっと気になることがあってね、それが書きたくて、再び登場願ったというわけ。

いったい、何が気になったのか?、
それは、漱石の小説「三四郎」のクライマックス、
美禰子(みねこ)の結婚が決まって、三四郎に別れを告げる、その場面で、ヘリオトロープの香水を浸み込ませた白いハンカチを、三四郎の顔の前に差し出して、
「ヘリオトロープ」と、あえて言ったという、その心理が、なぜと、気になったのである。

ヘリオトロープの香水は、二人の出会いのところで使われた、小道具だった

そう、出会いのところで、どの香水にしようかと迷っていた美禰子に
「これなんかどう」
そういって三四郎が勧めた香水だった。

去っていく女が、なぜ、別れのところに、その香りを持ち出してきて、あえて、嗅がせる…
その心理が、僕にはどうにも分からなくて、
前にヘイオトロープを書いたとき、姉が再び、「三四郎」を読み返していたところだったようで、
「ヘリオトロープは、三四郎の中に出てくる香水よ」と、メールしてきたのを思い出して、
「なぜ、あの場面で、あえて残り香を」と、電話したら、
「そこが、女の微妙な心理で、多分、あなたのこと、好きだったのよという、メッセージなのでは」と。

難しいね、男とと女の言葉にできない心の綾…

言い換えれば、この小説は、そういうことを言いたいがために書かれたものだったのか…
ウーン、時代が時代だからねぇ…
しかし、しかし、しかし…
もしそうだとしたら、却って後が辛くなるんじゃぁないのかねぇ…
僕も、いろいろ別れを経験したけれど、分からないね、この心理…

こういうことを書くと、
「そういうデリカシーが分からないから、女が去っていくのよ」と、言われそうだけど、
「去っていく男」よりも「去られていく男の方がなんとなくいい」などと言うと、これはもう、完全な顰蹙ものだな(笑い)

「嗚呼…あ いくつになっても分からないね男と女…」
とうとう、最後まで分からずして人生を終えていくのか…
「男と女の間には、深くて暗い河がある…」
いつの間にか、そんな歌を思い出して口ずさんでいた。

 

-コラム, フォトエッセイ, 思いつき, 本の紹介, 花ものがたり, 雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

オーキッド 洋ラン まるで宇宙人 蘭って本当に面白い

目次 未知との遭遇 「見慣れない顔だね もしかして あなたは宇宙人」 「分んない、気が付いたらここにいたの…」 ムッシュさんも知らない植物? 「これだけ大きいとね、さすがに全部は…」(ムッシュ) 「ど …

雨 忙しい時はともかくとして、ノンビリ過ごせる時間のある時にはいいよね、この風情

目次 雨… ノンビリくつろいでいる時にはいいよね、この風景、この風情… 晴れた日には晴れを愉しみ 雨の日には雨を愉しむ 「晴れた日は晴れを愛し 雨の日は雨を愛す」と言ったのは、作家の吉川英治氏。 でも …

止まっているカワセミは 撮り方テクニック気にしなくても簡単に撮れる

目次 鳥の写真を撮るようになると、やっぱりカワセミにいっちゃうよね。 だって、キレイだもの。 コロナで公園が閉鎖されて、川に行けば撮れる鳥の写真を撮り始めたのだが、とても楽しい。 そんな分けで、僕にと …

サクラ ウン この桜は美しい 

目次 美しいねぇ 見せられてしまった  これこそまさに美女桜… こういうのを見るとつい書いてしまうよね、 「櫻という字を分析すれば 二貝の女が 木にかかる」 うまいねぇ そしていいねぇ都都逸 お座敷で …

梅ジャム 酸っぱくて爽やか、とても美味しい 冷凍してチンするだけとても簡単

目次 梅ジャム、何回か作ったことあるよ。 確か西武線の都立家政駅の近くだった。 庭に大きな梅の木があって、写真を撮らさせてもらったら、 「これ、持っていきますか」 そう言って、ビニールの袋に入った梅を …