僕は何でこの写真を撮ったんだろう
かつて ここには家があった
そんなに大きな家ではないが…
男の子がいて
女の子がいて
素敵なパパとママがいて
男の子の名前はターちゃん
女の子の名前はチーちゃん
「ターちゃんやめてよ…
もうすぐお出かけするんだから…
お洋服汚れるでしょう」
「これ アクセサリー
ヒッツキモッツキ…
ホラ どこでもくっつくの…」
「いやだってばもう…」
「ターちゃんチーちゃん サー行くよ…」
優しいママの声に誘われ二人は駆け足で…
そんな情景がフッと頭の中に浮んでくる
しかし
そこに父親がいないのは
もしかして
僕には父親がいなかったからか…
そう、
父は僕が1歳の頃無くなって、
父親というものを僕は知らないできたから
イメージできないだよね…
大都会東京の ある町の風景
家が建ち並ぶ一角に、
更地になって何年か放っておかれたのだろう…
草が生い茂り、
ネコジャラシが冬の光りを浴びてキラキラと輝いている
「…」
なんの変哲もない風景なんだけれど、
そこに行くとなぜかピタリと足が止まって
こんな写真を撮っていたの…
もしかしたら、
それは僕が描いていた憧れの世界を見ていたのかも知れないね…
小春日和の暖かい日だった…
どこかに虚しさ
寂しさを感じながらシャッターを切ったんだねきっと…
「所詮この世は仮の世界…」
気がつけばいつの間にか無常の世界に…
「流れ流れて落ち行く先は…流浪の旅はいつまで続く…」
気がつけばそんな歌を口ずさんでいた
「私は旅人…どこから来て 何処へ行くのか…」
時にフッと感じることがあるのである
年の瀬
フっとそんな思いが頭をよぎった瞬間だった
いいね
風景をみていろんなことを想像し
いろんなことを考えるの
後になって整理しようと思ってもとりとめもないものなんだけど
それでもこうしてメモしておけば
そこからまた想像が膨らむから…
この遊び
僕は好きなのである…(笑い)