花はいろんなことを連想させてくれる
花の名前は分からない。が、日本の花ではない。
この淡い感じと透けた感じは、日本の夏の着物、絽袷(ろあわせ)とか紗袷(しゃあわせ)を連想させる。
これは僕の思いだが、
こういう着物は若い人では着こなせない。
そう、ある程度年齢(人生経験を積んだ)のいった、しかも、着物を着る体になっている人でなければ着こなせない。そんな粋な着物である。
僕の知り合いの女性に、粋に着物を着こなす女性がいる。が、その姿に、なんとなく迫力、そんな雰囲気を感じていた。
凄いね、日本の文化、
四季折々をうまく表現して楽しむ風流は、世界で自慢できる文化だと、僕は思っているのである。
黄色い、この洋花を見て、そんなことをフッと思ったのだった。
夏と言えば浴衣
夏の夕暮れ、涼を求めて表に出る浴衣姿の女性には、とりわけ日本女性の風情、色香がある。
白い木綿に藍染め、
例えば、朝顔や桔梗、撫子などをあしらったものがいい。
そう、木綿の白地に本染め(藍染)で日本の花をあしらった浴衣に、洒落た博多の夏帯をして、素足に下駄履きという姿には、優美と怠惰な雰囲気の入り混じった妖艶な空気感があって、日本女性の魅力を一層漂わせているように、僕は感じるのである。
ところが、最近の若い女性の着る浴衣。
ちょっと、飛びすぎ、そんな気がする。
秘すれば花 ウーンなる程
世阿弥の「風姿花伝」の中に「秘すれば花」という言葉がある。
芯の強さ、性格の良さ、知識を持っていても、それを表に出さないで、秘めて隠す姿こそが花(華)と解釈すると、
「時代が変わっているのだから、洋服の流行のように、ゆかたも変化していい」
というのは、納得できないというか…なのである。
やっぱり、時代は変わっても、日本の伝統とか、文化は守っていきたいよね
黒田清輝や独特のタッチで女性をとらえた竹久夢二、伊藤深水など、浴衣姿の女性を描いている画はたくんまる。が、どの画にも共通しているのは、匂いたつような女性の色香であり、奥ゆかしさである。
女性の浴衣姿には、やはりそういうものを求めたいと、思うのである。