蝶々で思い出したのが、画家 堀文子さん
蝶と花、どちらが美しいんだ━と、つい思ってしまう。
だから僕は蝶々は、「動く花」だと思っているのである。
蝶々と言って思い出すのは、画家の堀文子さん。
「月刊省エネルギー」(省エネルギーセンター)の取材で、大磯のご自宅にお伺いして、写真を撮った。
お酒の好きな人で、取材はパッパと済ませて
「サー飲みましょう」
と誘われて、別室に行くと、もうお膳が用意されていて、午前中にお伺いしたのに、夕方近くまで…
聞けば堀さんも同じベレン(アマゾンの河口都市)に行っている。
誘ったのはどちらも、植物学者の宮脇昭先生
堀さんは、僕が行ったベレン(ブラジル)に行っている。
「日本一木を植えた男」で有名になった植物学者の宮脇昭先生に
「アマゾンに行きましょう」
と誘われて、行ったというのだから、僕と一緒。
ところが、ブラジルに行く直前になって、転倒して足を骨折し、松葉杖をつきながらの行脚となったのだそう。
しかし、さすがに松葉杖では、森に入って行くわけにはいかない
「宮脇先生ったら、本当に冷たいんだから、堀さん、松葉杖では無理だから、ここで待っていなさいと、一人ポツンと置いていかれたの。心細いのなんのって、で、することがないから、スケッチブックを取り出していろいろ描いていたら、紫色の大きな蝶々が私の傍に来て、相手をしてくれたの。ブラジルでは有名な蝶々なんだけど、めったに見ることができないんだってね、とっても美しい蝶々で感動したわ。あれは良かった。ブラジルまで来たかいがあったと思ったねぇ…」
そんなお話を聞かせてくれたのだった。
アマゾンをモーターボートで走った思い出
僕もやはり宮脇先生に誘われてベレン(アマゾンの河口都市)に行き、
そこから飛行機で、なんていう都市だったかな(確かブラベスと言ったと思ったけど?)へ行き、そこで永代ブラジルのモーターボートを借りて、二日間アマゾンを走ったのである。
この時撮った写真で、「野生の大自然パンタナールへ」という写真詩集(愛育社)を出版した。
しかし、蝶々は見ることができなかったのである。
そういういきさつもあって、話が盛り上がって、とても楽しい一日となったのである。