コラム フォトエッセイ 写真エッセイ 思いつき 雑記

常盤御前と勝手に命名、だって、そういう印象なんだもの、この花

投稿日:

常盤御前は時代を代表する美女だった

「これ、そこ行く女人、面てを見せい」
「なりませぬ、とてもお見せするような顔じゃあありません」
「…」
力づくで被いを開けると
「うん、女人、そなたは常盤殿」

常盤御前とは、平治の乱で捉えられた義朝の側室、源頼朝、義経の母。
時代を代表する美人と言われている。

母は強し。やはり子供を生かさなければならないから、平清盛のいいなりになるというお話。

皮肉なことに、後に平家は、これによって滅ぼされるのである

子供の頃、寝ながら聞かされた母の話に、この物語がよく出てきた。
そう、一寸法師や舌切り雀、安寿と厨子王丸などとともに…

祇園精舎の鐘の声、平家物語、なんかいいよね

この花は欄の花なのだが、見ているうちに、そんな物語がフッと頭に浮かんだので、そういうイメージで。

平家物語はよく知らなくても、冒頭の

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ」
というのは、あまりにも有名だから。

沙羅双樹の花は、やっぱり、白い一重の夏椿の方が相応しい。そんな気がする

ついでながら、沙羅双樹の花というのを、春先、新宿御苑で見た。
残念ながら、イメージしているようなものではなかった。
やっぱり沙羅双樹の花のイメージとしては、一重の白い夏椿の方が相応しい。
だって、ずっと、夏椿の白い花を、沙羅双樹と言っていたんだもの。

なぜ、そうなったかというのを、一度調べたことがある。
記憶に残っているのは、確か、インドで沙羅双樹の花を見た僧侶が、沙羅双樹に似た花ということで、白い夏椿の花を沙羅双樹といったというのは言説らしい。

滅びゆく美学、源氏物語よりもやっぱり、平家物語だよね。

「遊びせんとや生まれけむ」(梁塵秘抄)
集成したのは、後白河法皇とか。

「遊びをせんとや生れけむ
戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声聞けば
わが身さへこそゆるがるれ」

この言葉の意味、実際には、僕は分かっていないのだけれど、
芸事はすべて、遊びの中から生まれるものと勝手に解釈して、
できる範囲で、遊びを学んできたのである(そりやぁ、言い訳だろうという声なき声が…)

だが、やっぱり酔狂だよね、芸事は、色気、艶、ゆとり、そこに人は魅力を感じるのだと思っているのである。

平安時代の美意識、僕は好きだな。特に宮島のあの舞台は、何度みても感動する。

余談ながら、叔母のお墓がある吉備の中山(吉備津神社のすぐ近く)
叔母のお墓のちょっと上に、清盛によって追われた藤原の成親のお墓があった。吉備津神社のすぐ近くの吉備津彦神社には、大宰府に行く菅原道真も寄っている。

 

-コラム, フォトエッセイ, 写真エッセイ, 思いつき, 雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

ヒシガタホウライシダ

目次やっぱり個性だよねそうか、個性か…子供の頃から、ちょっと考え方が変わっていたらしいつい先日も、そういう話で盛り上がったのだったいいも悪いも、そうして70年、今さら何を言ってもである。 やっぱり個性 …

瀧と滝の違いとは、瀧の方が古いように感じるが、古いのは滝らしい

国土地理院では

「滝とは、流水が急激に落下する状態、瀑布(ばくふ)ともいう。普通は、高さが5メートル以上で、いつも水が流れているところ」としているらしい。

瀑布とは、水の落下が白い布のように見える様子を表わした言葉。

写真では、この水の流れ方を、どのように表すかと考えて、シャッタースピードを決める。
たぶん、この写真は30分の1秒位(水の流れ方から判断して高速になればなる程、流れは止まって点になる。
反対に、スローシャッターになればなる程、布のように白くなる。

タイトルの「滝」と「瀧」の違いは
ヤフー知恵袋のベストアンサー選ばれた解答によると
「滝」の方が古く「瀧」は後からできた字なのだそう。
タキは「竜、龍」という字に「さんずい」をつけたもの。
「竜」と「龍」「竜」が古く「龍」は後からできた字で意味も読みもまったく一緒。

基本的には「瀧」が基本で「滝」は古字とされているのだそう。
日本語って、本当に難しい。

滝と言えば滝行
昔、なんの雑誌だったか、
「久保さん、身延山に行って、女性が滝行している写真を撮ってきて欲しいんだけど…」
「エーと思った」が言われれば行かないわけにはいかない。
夜中に車を走らせて、その滝のあるところまで行った。冬だった。
待てど、待てど、人はいない。
「こんな寒い時に、瀧に打たれる人なんかいないよなぁ」
しかし、仕事、待って、お願いして撮らさせてもらうしかないのだ。
時計の針はもう、12時を廻っている。
しかし、しかし、しかしなのである。
「ウーン、これはもうダメだな」
そう思った瞬間だった。
30歳位の女性が現れて
「朝からずっとここに居ますけど、何してるんですか」と声をかけられた。
で、事情を説明すると
「私でよければやりましょうか」と。

白いハイビスカス、沖縄返還前の与論島で見たのが初めてだった

目次白いハイビスカスの思い出沖縄返還を目前にして、一番乗りを目指すヒッピーが大勢いた。 まるでお餅を置いたような、小さな島与論島ヒッピーとは、多分、この年代のコマーシャルだったと思うが、今も記憶に今も …

第28回 国際平和美術展に出品したインスタグラム友達の作品「慈心」

会場で漏れ聞こえてくる話に耳をそばだてると、
この展覧会はこの後、ニューヨークに行くのだとか、凄いね、
廣野さんのSNSだと、その後、この桜、お室の仁和寺(京都)に展示されるのだそう。
確か、昨年の作品は「お買い上げになった」と記憶しているけど。

紅葉と書くともみじのこと。では黄色い葉っぱは、黄葉(おうよう)でも、これももみじのこと、ウーン、難しい

目次紅葉と書くと もみじ 黄色い葉っぱは…紅が好きか黄色が好きか…そうか、骨組み、やっぱり大事なんだやっぱり、本物、一味違う 紅葉と書くと もみじ 黄色い葉っぱは… 黄色い葉っぱが鮮やかで美しい。 で …

広告


 

名前:クボッチ

写真好き トレンドを中心に書いていきます