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なんで今頃 菊
そうなんだよね、これには事情があって…
イヤ、そんなに大した事情ではないのだけれどね(笑い)
一回撮影に行くと、いろいろ写真撮るから、毎日、一枚づつのアップでは、処理しきれなくて…
で、気がつくと、
「あちゃ、時期がずれてしまった」ということになってしまうの。
しかし、ここのところ、カメラ、ちょっと持ち歩いてないので、
「時期ズレでもしょうがないな」と、いうことになってしまうわけ。
時の動きって、それ程速いということを、身にしみて感じるよ。
「エッ 誰に対しての言い訳…」
「…」
「大丈夫だよ、君の写真なんか、誰も意識なんかしてないから」
「マー そうだけどサー 本人はそれでも、やっぱりねぇ…」
ということで、時期外れになったが、今日は菊の写真でいくことにしたの。
この菊、「仮り寝の夢」というタイトルがついているの
このタイトルから僕が連想したのは、着物の女性が昼寝をしているシーン
だって、なんとも色っぽいんだもの…
着物を着た女性が、こういう時に使う枕って知ってる…
本当は、竹でできた、ちょっと高めの枕なんだそうだけど、仮り寝だから、お茶を入れる10数センチの茶筒がいいらしい。
本当かどうかは知らない。が、僕の知り合いの女性は、着物用の頭にした時は、それを使っていた。
そうすると、髪が乱れなくていいのだと。
「なんでお前、そういうことを知ってるの」
「そりゃ、取材するからいろんなことを知ってるよ」
「ハハハ…」
★ ★ ★
そうい言えば、昔、ある人を取材した時、
知り合いの女性が突然、長距離列車の、自分の席の前に着物を着て現れたというシーンがあって。
僕が、その女性の着物の色など詳しく聞いていたら、
「そういうのも必要なんですか」と言われたことがあったが、本の中では、見事にそれが生きたという経験がある。
そう、そうなんだ…
そういうデティールを書き込むことによって、その人を生き生きと描くことができたと思っているのだ。
そして、その本を読んでくれた人が、
「あの女性、まるでそこにいるようだった」と言ってくれたのが、とても嬉しかった。
「だから なんでも知っておかなければならないのだ」(笑い)
そう、何事もすべて、経験なんだよ…ね
ところで、「仮寝の夢」とは、どういう夢なんだろうとタブレットに打ってみたら「邯鄲の夢」というのが出てきた。なんでもやってみるもんだね…
邯鄲(かんたん)とは中国河北省の商業都市のこと。
この都市、実は、沈既済の小説「枕中気」の邯鄲の夢(枕)で有名なのだと。
物語りは、
「出世を望んで邯鄲に来た青年蘆生が、栄華が思い通りになるという枕を道士(道教を修めた人)からかりて仮寝して、栄枯盛衰50年の人生を夢見たが、目覚めると粥がまだ炊き上がらない束の間のことだっという話」
この話、日本では能に脚色され、
蘆生が仏道の師を求めて歩くことになっており、
ある宿の女から枕を借りるという筋になっているらしい。
へー、そうなんだ、
どうせならここは、「黒田節」に出てくる、「美人の膝枕」にして欲しかったな…
そうだよね、やっぱり栄枯盛衰よりも、色っぽい話だよね…
こんなことを書くと、
「お前、何考えてんだ」と言われそうだから、このへんにしとこう…
ハハハ…