フォンワカしてなんとなくいいよね、ソフトフォーカス
優しさとか、ファンタジーとかドリーミーとかメルヘンとか…
なんとなく、そんなムード、雰囲気を醸し出している。
やっぱり、楽しみ、
遊びで撮る写真には、そういう形容詞的要素がいいなと僕は思っているの。
だって、
「そこに花があるから撮りました」というのではね…
この写真は、結露がつくりだしたソフトフォーカスなの。
ホラ、寒い所から暖かい所にパッと行くと、眼鏡が曇って見えなくなるでしょう。
カメラも同じで、拭いても拭いても、クリアされるまでには時間がかかるの。
プールなどで撮る時には、ドライヤーで温めたりするんだけどね、普段はそんなもの持ち歩いてないし、電池式の小型のドリヤーとかあると便利がいいよね…
普通は、こういう状態の時にはシャッターは切らないんだけど、何でもやってみるというのが僕の精神で、エイ、ヤーでやったのが、この写真。
いいムードになったと、自分では思っているのである(写真は所詮は思い込みの世界だから…笑い)
思いついたことはなんでもやる。そういうのを教えてくれたのは僕の先輩。
「東京に来ないか」
そういって声をかけてくれたのは、この人だった。
この人は、風景写真の大家、緑川洋一(光の魔術師といわれた人)先生の知り合いで、
先生の紹介でやはり岡山から東京にきて、黎明社という印刷会社の写真部のカメラマンだった。
僕が石津良介先生に、
「東京に出たい」という意思を伝えていたのが、倉敷の写真家、中村昭夫先生、緑川洋一先生の耳に入り、先輩から、カメラマンになる若いのいないかという話が来て、僕に声がかかったというわけ。
そして形として、
石津先生が緑川先生に僕を紹介し、緑川先生の推薦文(紹介状)を持って僕は東京の黎明社という会社に入ったの。で、ここで約2年間スタジオを経験してから独立してフリーランサーになったのである。
声をかけてくれた先輩、とてもいい人で、物撮り、本当にうまかった。そして、教え方も上手で、この先輩からいろんなことを習ったのである。
太陽は一つ(スタジオで)というのも、この先輩の言った言葉、
「RG BY CM」
(これは、フィルターを使う時の補色の関係を記号にしたもので、赤と緑、ブルーとイエロー シアンとマゼンダということで、ゼラチンフィルターには、それに番号がついていて、状況によって、ここでは何の何番というようにして使うの)
そう、まさに写真のイロハを教えてくれたのである。
その先輩が常に言っていたのは、
「思いついたら、なんでもやってみる。やったら、やっただけの効果を写真は出してくれる」だった。
だから、無茶でもなんでも、思いついたことはなんでもやって、体にデータを蓄積してきたのだった。
そういうのが、今、生きているのである。
こうやって振り返ると、僕はいろんな人に支えられて来たということを実感する。
そして、いろんな人が、僕には沢山のお金をかけてくれた…
それでその程度かと言われれば、そうなんだけど、それが僕の実力だったのだからしょうがないよね(笑い)
毎日、こうやって書いていると、いろんなことが思いだされる。
そういうのを記録するのもまた楽しい。
ぶつぶつ、独り言を言っていれば、いつの間にか形ができている。いい時代に生きているとつくづく思うこの頃である。