photo

マン・レイ展を見てきた。ちょっと異質な感動、衝撃で背筋がゾクとした

投稿日:

マン・レイ知ってたよ

好きな写真家の一人だったし、一時期流行した「ソラリジェーション」という表現方法、随分やったもの。
ソラリジェーションとは
白黒写真のプリンの現像中に、といっても分からないか。

白黒写真のプリントについて、簡単に説明すると

写真は印画紙という感剤を塗ったペーパーに、フイルムに写った写真を、引き伸ばし器という機械で照写して、そのペーパーを現像液という溶剤に浸すと、照写した映像がフワーとジンワリ、写真になって浮かび上がってくるのだが、僅かな光にも反応する感剤だから、暗室という、真っ暗な部屋でその作業は行われる。
頼りにするのは、赤いほのかなライトだけ。
そう、感剤は赤外線には、反応しないの。

失敗から生まれた表現手法

ポスターになっているこの写真は、助手がプリント中に、あやまって電気をつけてしまったの。
電気をつければ感剤だから反応するよね、
どういう反応をするかと言うと、白い所が黒くなり、黒いところが白くなったりするの。

失敗写真を素晴らしいと思える感性の素晴らしさ

ポスターの場合は、腕の輪郭と頭などに影響が出ている、
これまでの概念で言えば、これは欠陥写真(失敗写真)で決して表に出る写真ではないのだが、マン・レイは、その欠陥が女性らしさを強調したと気にに入って、この失敗を「ソラリジェーション」という手法に昇華させて、意識的に使うようになったのである。

この手法、僕も随分やったよ

僕が熱病にかかったように傾倒した表現スタイル、コンテンポラリーフォトグラフィーでも、この手法が随分使われたので、僕も随分やった。
しかし、その効果の出方は非線形(デタラメ)なので、何回かやって、
「OH」というのを探すのだけど面白かった。
「はい入れて」「はい切って」
そう、時間をいろいろ変え、「OH」と思ったところで停止液に入れて、現像の進行をストップさせるの。
ソラリジェーションとはそういう手法。

写真機を使わないで作品をつくるのもマン・レイの得意技だった

この他、マンレイは、写真機(カメラ)を使わないで、例えば、リンゴなど、直節印画紙の上に置いての作品づくりも随分している。
そしてその作風は、モダンでシュールで素晴らしいのである。
しかし、若い頃はマン・レイよりも、ユージンスミス、アンリー・カルチェブレッソンの作風に惹かれていたのだが、年齢とともに、感覚も少しづつ変化してきて、今はむしろ、マン・レイの写真が光って見えているのだ。

展覧会、大きくプリントすればいいというものではないのだ

昨日、その展覧会を見て、「AH」と思うと同時に、作品のほとんどは8×10インチ、以下のもの。
展覧会というと、大きくプリントした絵ばかりとつい思ってしまうが、
こういう見せ方もあるんだ━と、そちらの方でも感動させられた。
そして、何よりも一番感じたのは、画面の構成力の素晴らしさ、構図ではない。全体のバランス、余白の使い方、これが実に巧みなのである、いい勉強をさせてもらった。

やっぱり、話し、聞いてくれる人がいると楽しい

昨日は、その後、感性の素晴らしい女性と会ったのだが、
僕が展覧会で見て感動したことを、勢いに任せて喋ったのを、うまい相槌で受け入れてくれたので、気持ちよく話せて嬉しさが一層高まって、とても楽しかった。
僕は寡黙と自分では思ってるのだけれど、本当はお喋りなのかも(笑い)

-photo

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

お米が命を繋ぐ時 もう古い写真なんだけど貴重な写真だか時々 おそらく誰も撮ってない写真と思う

この写真が撮れるのは8月の丁度今頃
しかも時間は
晴れた日の午前9時から⒒時の2時間だけなの
照りつける太陽の中で、
田んぼから上がってくる熱気で汗をぬぐいながら観察していると
いろんな方向から雄しべが雌しべのある方向を目指して迫ってくるの
そうしたら雌しべがスーと籾の扉を開けて…
そしてそれが終ると、
スーッと籾の扉を閉じてしまうの。
今頃の時期
夕暮れ田んぼにいくと、
白い花が風になびいているように見えるのだけれど、
あれは
「兵者共の夢の後」なのである。
この写真を使った
「お米の花の神秘」
電子書籍にはしているのだけれど、
あらたにできるようになったペーパーバックにしようとすると
写真が少なくて柄が出ないの…
ペーパーバックにするには100ページは必要だから…
だけど、
もう一回写真を撮りなおして(撮り足して)という根性はないから時々
こうして忘れないようにしているんだけれど、

なんとなく初夏 晴れるとやっぱり気持ちがいい スズメさん可愛いね

麻雀
楽しいね…
たまには
そういう形での精神の集中もいいね…
麻雀をしながらの会話も楽しいし…
かつては
それを元に書いた短編で
人にはちょっと言えないジャンルの小説で
銅賞だけどもらったこともあるし…

写真をお愉しむ この花を見るとつい夏の花と思ってしまう 

オシロイ花が夕方に咲くのは、
風呂上がりのお姉さんがお化粧する時間に合わせてるなんんてね…
写真は楽しい 
いろんなことが想像できるから

電子書籍「私の和菓子帳」(豐田裕子 まめしば書房)が、Kindleで出版され昨日からAmazonで発売されている

著者の豐田裕子さんは、老舗の和菓子作りの家に生まれ、子供の頃から木型を見、和菓子作りの音を聞いて育った、
店はもう閉じたが、木型は残っている。
『わたしの和菓子帖』(まめしば書房)は、その木型に焦点を当てたエッセイ集、
文章、写真、デザイン、構成…
どれをとっても素晴らしい。
早速、買わせていただいた。いいね、最高」

スマホカメラを愉しむ 可愛いね高尾の山の娘たち

メンバーは
お姉さまたちばかりだから僕よりさらになんだけど、
みんな素敵なの…
そしてみんな若いの
さらに言えば
成熟した女性の魅力の中に若さと美しさと身につけた知識があって、
話題が豊富で、
句会の後のお茶会、さらに食事会など楽しくて…
だからなんとかしていいと言われる575を創ろうとは思うんだけど、
なかなかそれができなくて…(笑い)

広告


 

名前:クボッチ

写真好き トレンドを中心に書いていきます