コラム フォトエッセイ 雑記

寒さの中に、何か新しさを感じる、季節は確実に動いている、動きつつあるのだ

投稿日:

目次

年が変わったというだけで、風景までも変わって見える、面白いね

昨年と今年、
年が変わって20日足らずなのに、何か新しい季節の息吹を感じる。
おそらくそれは、ハクモクレンのつぼみが、そう感じさせるのだと思うが、なんとなくいいよね、
寒さの中に、温かさとか希望とか…そういうものが感じられる。
その微妙な綾こそ美しい、
そう思って撮ったのだが、どうだろうか…

風景写真なんて、歳をとってから撮りなさい

写真を始めた頃に、師事した先生、石津良介先生のところに作品を持っていくのに、風景写真を持っていくと、
「こういう写真は歳をとってから撮りなさい、若いうちは、その時でなければ撮れない感覚というのがあるから、そういう写真を撮る方がいいと僕は思うよ」と言われたのを思い出した。
時々、写真を撮っていると、先生が言っていた言葉を思い出すのだが、本当に素晴らしい先生だった。
ダンディーでね、だって弟がファッションデザイナーの石津謙介さんだもの。
懐かしいね、青山の草月会館で「沙漠の木」(愛育社)の出版記念パーティーをした時には、
「兄が指導していた人なら行かないわけにはいかない」
そう言って駆けつけてくれ、挨拶をしてくれたの。
あの時には、出版関係者も結構いて、石津謙介氏の姿を見た瞬間に会場の空気がパーと変わって、ピーンと張りつめた感じになったのをハッキリと覚えている、
「オーラ」とは、こういうものなんだということを、その時、初めて知ったのだった。
そんなことを思い出しながら、ハクモクレンのつぼみと水のある風景を眺めていたら、水鳥がいい位置に来たのでパシャっと。

「先生、もう風景写真しか撮れない歳になっちゃったよ…」

おそらく、僕が先生の所に行っていたのは、先生が今の僕位の年齢だったと思う。
行くと奥さんがよく言っていた
「この人ったらヤラシイのよ、ハウスククレカレーのコマーシャルが出ると、ニヤーとして見てるの、あの女性が好きなのよ…」
奥さんもとても素敵な人だった。
東京に来てからも、手紙などで、よく励ましてくれた。懐かしいねぇ…
そんなことを思うと、岡山の田舎育ちの僕が、東京で、しかもフリーでよくやってこれたなと感心している(自己陶酔)
目的さえ失わなければ、何をやってもいい…
それが僕の心情であり、信念だった。
しかし、結果、大したことにはならなかったけれど、とても とても とても、いい人生だった、面白い人生だった━と自分自身は思っているのである。

-コラム, フォトエッセイ, 雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

気が付いたら、こんな写真を撮っていた。若い頃のコンテンポラリーを思い出す

目次 ふっと思い出したコンテンポラリフォトグラフィー 考えてはダメ、ハッと思った瞬間にはもうシャッターを切っている。 ノーファインダーで、感じるままに… 「今、まさに、その時」を撮る。 コンテンポラリ …

蝶々

目次 蝶々のこの脚の逞しさ 飛んでいる蝶々、ヒラヒラと舞う蝶々の姿には優雅さを感じる。が、写真にして、こうして見ると、とっても力強いね、この足… ガシっと、花を掴んで、落ちないように、支えている。 そ …

蘭 prosthecheavitllina というらしい 美しさと妖艶な雰囲気、ぞくっとする魅力を感じた 

目次 姿、形、色、醸し出す雰囲気… 好きだなぁ、こういうの。 そういうと、 「思うのは勝手だけど、口にはするなよ」と言われそう。 「ほっとけ、もう、若くはないんだから、それでいいの」 「…」 「なんの …

スミレなんだけど ああ、スミレと一言では片づけられないんだよね、本当は

目次 ひと花ひと花に表情がある 面白いね、よく見ると、 ウインクしている奴、 怒っている奴、 笑っている奴… そりゃそうだよね、花だって生き物だから感情あるよね… 僕たちは、パッと見て 「ああ、スミレ …

生きることは食べること。本物の食品を食べてこそ、健康は保たれる

目次 食べるとは、自然の恵みをいただくということ 生きることは食べること。 食べるとは、 本来は、自然の恵みをいただくこと。 うまいことできているよね、人間の身体 本物の食品には、生きるために必要なビ …