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お米の花の神秘 お米が命を繋ぐ瞬間(とき)

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お米の花、見たことありますか。

おそらく、ほとんどの人が知らないと思います。
通常なら、8月の丁度、今頃、
お米を作っている田んぼでは、そよ風にゆれる、白い花が見えるはずです。
しかし今年は、梅雨が長く、天候が優れなかったので、どうでしょうか…

 

8月丁度今頃の晴れた日の午前9時から11時の二時間だけ見られる神聖なる儀式

春に田植えした苗が、本来ならばスクスク育って、
丁度今頃の晴れた日の午前9時から11時の約2時間だけ、雌しべが姿を現して、交配がなされるのです。

しかし、それは、そういった基礎知識がないと、観察しようと思っても、なかなか見えないかもしれません。
僕も、この写真を撮るのに、三回、夏を費やしたのですから。

肉眼ではなかなか見えづらい、小さな世界。
しかし、その瞬間を捉えた時には、「オーツ」と思わず、声を上げてしまいました。

撮ったのはフイルムカメラ、今ならスマホで簡単なのにね

この写真を撮ったのは、電子カメラの出始めの頃で、まだそんなに性能がよくなかったので、フイルムのカメラで撮影したのですが、
現像が上がって、フイルムをビューワに乗せ、写った写真を見た時には、自分で撮っておきながら「スゴイ」と叫んでしまいました。
それ程神秘の世界だったのです。

フイルムカメラは電子カメラのように、撮ったらすぐにモニターで確認ということはできないし、長いクローズアップレンズは持ってなかったので、レンズの前に望遠レンズを逆さまにして手でくっつけて撮るという無茶苦茶な方法で撮ったのですが、うまくいって、本当に良かった。
今ならスマホで簡単に撮れるのにね。

なぜ、お米の花の写真を撮ったか

なぜ、そこまでして僕がお米の花の写真を撮ったかというと、鳥取でお米づくりをしている友人に頼まれたから。
その人は自分の農法に「湧気農法」という名前をつけ、無農薬、天日干しという、昔ながらの米づくりを実践しているのです。

愛情を注げば、お米も、それに答えてくれるらしい

僕から言えば、ちょっと変わり者という位、拘りを持った人で、
それゆえに、その人のつくったコシヒカリは本当においしいです。
僕の知り合いにも、食べてもらったのですが、異口同音、とっても美味しいと。

その人がじっと田んぼを観察していて、気づいたんですね。
で、僕に撮ってくれないかと。
そんなに難しい撮影とは、その時は思ってなかったのでえ簡単に引き受けたのですが、何枚撮って送っても、
「雌しべが写っていない」
そういわれて撮り直しをするのですが、雌しべがどんなものか、どこにあるのかもわかってないのだから、それは大変でした、

で、ある時、田んぼにいたおじさんに
「雌しべ、どこにあるんですか」と尋ねたのですが
「そんなもん、知らないよ」と。
お米を作っているおじさんが知らないのだから、僕に分かるわけないよね…
ということで、結局、3年も費やしてしまったのです。

そういう意味で、この本はかけがえのないものと思っているのです。
売るための本づくりもあるけれど、残しておくための本づくりもあるよね。
そういう意味で、まめしば書房さんには、とても感謝しているのである。

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